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Evergreen Dazed - Felt.
僕が一番好きなバンド、というわけではないけれど僕の中で一番大事なバンドの一つがFELTです。
僕が彼らを知ったのは8枚目と9枚目をカップリングした日本盤CDでした。
そこから昔に戻って聴き直している途中に、次作10枚目を最後に解散してしまいました。
最近になるまで僕は80年代の英国音楽の素晴らしさを理解出来ませんでした。
あまりにも「(狭義の)ロック」という概念に縛られていたがために「80年代は空白の時代」などという偏った論調をまともに受け止めてしまっていたのです。
確かにビートルズの登場やパンク襲来のような目に見える分かりやすい革命は80年代には起きなかったのかも知れません。けれどこのFELTを始めとして本当に多くの素晴らしい音楽が存在していました。
1968年生まれの僕にとって80年代は正にTeenage
Riotの時代のはず。
僕がもっとも貪欲に世界を吸収できたはずの80年代という時代を当時は見過ごしてしまったという後悔は未だに根強く残っています。
FELTはそんな、一般的には何も無いと言われた時代に英国に存在したバンドです。
Cherry Red〜Creation〜elと3つのレーベルを渡り歩き10年間の活動で10枚のシングルと10枚のアルバムを発表しました。(とされていますが厳密にはそうではないのです。詳細はおいおい説明していきます。)
Cherry Red時代は2本のギターの絶妙なアンサンブルを中心としたネオサイケ的なサウンド。TelevisionやLou
Reed、Bob Dylanと比較されたりしました。
Creation時代はハモンドオルガンの鳴り響くメロディックなバンドサウンドから、(今や死語となりましたが)ニューエイジミュージック的なアプローチまで、どんどんと音楽の幅を拡げて行きました。Creationレーベル初期の中核バンドとして活躍し、アラン・マッギーもお気に入りだったようです。
そして80年代最後の年にelレーベルからラストアルバムを発表。これは全キャリアを総括する素晴らしい作品となりました。
「今度はDENIMとして帰って来るよ」という本気とも冗談ともつかないコメントを残しFELTは解散しました。数年後本当にDENIMというバンドを結成して帰ってきましたが、FELTの歴史はここでピリオドが打たれています。
僕は彼らのことをそれほど詳しく知っているわけではありません。殆どを後追いで聴いていますから、音源以外の情報というのが皆無に等しいのです。せいぜいアルバム付属のライナーで得た知識程度しかありませんでした。
僕の文章を見て「これはおかしい。間違っている」といったご指摘もこれまでに幾度か頂き、また「私はこういう話も知っている」という情報、「私はこのアルバムについてこう思う」といったレビュー等もどんどんいただけると有り難いです。このFELTのページを充実したものにしていきたいと思います。
(2003年8月加筆)
「Primitive Painters」で僕のレビューをアップして以降、いろいろと意見や感想も頂きました。本当にありがとうございます。頂いたご指摘事項については出来るだけ修正していったつもりです。僕が自分一人で書き始めていた頃に比べれば本当に中身のあるFELTレビューが出来上がったものと自分でも満足しています。
Discography PROLOGUE:チェリーレッド以前 PART
1:チェリーレッド時代 PART
2:クリエイション時代 PART
3:エル時代&総括 ENCORE |